和銅七年(七一四)に泰澄大師がインド伝来の霊木を彫刻して造られた千手観音を本尊にし、聖武天皇の勅願により天平元年(七二九)に土地や七堂加藍を寄進され建立されました。行基菩薩の開基と伝えられています。かつては帆山観音谷に七堂加藍二十坊舎が建並びました。
また、中世には新田義貞や朝倉氏らの信仰を集め、木村常陸介の寄進を受けました。天台宗延暦寺の末寺で、曹洞宗中興開山常済大師は当寺で出家得度されたと伝えられます。
戦国時代の乱世に、織田信長の戦火により焼失したあと、現在地に移り府中城主本多富正氏の帰依を受け、入府の際には、三葉葵の紋所の使用が許されました。
現在の大門通りは帆山寺観音の大門であったところを見ても往時の賑わいを知ることが出来、観音の霊験と信仰の厚さが察しられます。
帆山寺のある越前市は、現在こそ福井県第二の都市ですが、古代は北陸で最もひらけた中心地で、北陸の国府があったところです。その面影は、総社大社や、引接寺などの古社寺や古い町並にしのばれ、「源氏物語」で有名な紫式部も少女時代に父に伴われて住んだことが河濯社の歌碑でしのばれます。
郊外の味真野は古代の大和朝廷時代の流刑地で、豪摂寺などの見どころがあり、今立の越前和紙、宮崎地区の越前陶芸など今なお古い伝統が生き、越前海岸の自然も豪快です。
住所:〒915-0067 福井県越前市住吉町1-24
電話 / FAX:0778-22-4074
交通:JR北陸本線武生駅から徒歩10分
観光:市街引接寺など、郊外味真野、今立越前和紙、宮崎地区越前陶芸村、越前海岸など
専用駐車場:普通車10台