小浜市街より車で10分。天ヶ城を背にして緑の木立にかこまれた静寂の地にある当寺は、霊亀二年(七一六)僧行基が元正天皇の勅願により創建したと伝えられています。その後、水害や火災に幾度か会いましたが、天暦元年には村上天皇の勅命により再建、また建久元年には源頼朝が三重塔を寄進、文安四年(一四四七)奥州十三湊の安倍康季が諸堂を再建。本堂(重要文化財指定・観音堂)に安置されている本尊の木造十一面観音立像も重要文化財に指定されています。この仏像は一・四六メートルの等身大、彩色も美しく残る平安初期の貞観仏。女帝元正天皇の御影といわれ、えもいわれぬ美しさをたたえておられます。頭上の十一の化仏の面は衆生の十一品の無智をたち切り悟りに至る十一の段階をあらわし、感動的な仏様です。ほかに脇侍の木造千手観音立像(重文)や木造毘沙門天立像(重文)など多くの寺宝を蔵しています。
小浜は、「海のある奈良」と称されるなど、仏教が伝来し、大陸からの文化が渡ってきた「海の玄関口」にあたります。それ故、古い町並に歴史を感じさせる魅力的な町で、自然美がそれをとりまいています。古刹をめぐる「国宝めぐり」や「蘇洞門」遊覧船など、見どころは豊富です。
羽賀寺の寺宝は前述の仏像のほか、羽賀寺縁起(重文)、紙本墨書年中行事(県文)など数多く、県内屈指のものです。
十一面観世音菩薩
住所:〒917-0017 福井県小浜市羽賀83-5
電話:0770-52-4502
FAX:0770-52-4404
交通:JR小浜線小浜駅からタクシー10分
観光:古刹をめぐる「国宝めぐり」や「蘇洞門」遊覧船など、見どころが多い
専用駐車場:大型車5台 普通車30台
宿泊設備:小浜市内旅館